日本人はどうしても英語を日本語に訳してしまいがちです。だから thank you は「ありがとう」、good bye は「さようなら」だと考えます。
そして thank you を使うのは相手にお礼を言う時、good bye を使うのは人と別れる時、という概念が染み付いているのです。
しかし、thank you は「ありがとう」、good bye は「さようなら」という捉え方ではなく
thank you はこういう場面でも、good bye はこういう時にも使えるということをマスターしてしまいましょう。
good bye
◆人に別れを告げる時
good bye は訳さずとも意味の通じる別れの挨拶「さようなら」です。普段私達は人と別れる時や電話を切る時にこの言葉を使います。
しかし、good bye は別れるという意味において様々な場面で使われるのです。
◆物事の終わりを示す時
テレビ番組のラストで司会者が視聴者に次のように語りかけます。
It's time to say good bye.
さようならを言う時間です。
直訳すればこのような日本語になりますが、これでは不自然ですね。
何となく意味は掴めると思いますが、これは「お別れの時間」ということで、番組終了を表す時によく使われます。
◆相手(敵)を殺す時、とどめを刺す時
アクション映画やアニメなどを見ているとよく good bye に出くわします。
これは人が死ぬことによって「別れ」を生み出す場合に使います。
It's time to say good bye!
死ね。あばよ。消えろ。
先の番組終了を表す言い方と全く同じフレーズですが、使われる場面や状況、文脈や前後関係によって解釈は全然違ってきます。
例えば、主人公が悪を倒そうとして「もうこの最後の一撃で仕留められる」ような場合、It's time to say good bye を使います。
thank you
◆相手に感謝する時
I'll give you a chocolate. Thank you.
チョコレートをあげましょう。ありがとう。
これはあえて説明の必要はないでしょう。誰もがよく知っている、ものをもらったり助けてもらったりした時の thank you です。
◆物事をお願いする時
イギリスでは乗務員が電車内で乗客に切符の拝見を要求する時、thank you と言います。この thank you は日本語に訳しようなどありません。
その場面で使うのです。強いて訳すなら「見せて下さい」となります。
テニスの世界大会、ウィンブルドンでは選手がサーブを打つ前に試合会場がざわめいていれば、thank you という場内アナウンスが流れます。
この thank you もこの場面で使うのです。これは選手が集中できるように静かにすることを頼んでいるわけです。
◆丁寧な受け答えをする時
thank you は様々な場面で使われます。セリフの最後にこの thank you を添えることで非常に丁寧な表現となります。
How are you? I'm fine thank you. (and you?)
これは英会話においては欠かせない挨拶ですが、この thank you の意味を厳密に説明すると「聞いてくれてありがとう」となります。
しかし、そのように訳すのではなく、文末に添えると丁寧な言い方になると理解しましょう。
◆何かを勧められて軽く断る時
遠慮する時や人から渡されたものを受け取らず断る時、いらない時などよく no thank you と言います。
これは thank you の前に否定を表す no がつくことで「ありがとう」の反対の意味で「結構です」という意味を表していると考えられます。
しかし、ネイティブはこの no を前につけずに thank you だけで拒否することがあります。
see you
◆別れる時
友達と別れる時によく使います。「また会いましょう」や「またね」の意味です。しかし、実はネイティブは別れる時にはこのセリフをそれほど使わないようです。
何故?と思うかもしれませんが、こう考えてください。日本語を勉強する外国人は「ありがとう」に対して「どういたしまして」と言うものだと学びます。
しかし、実際日本人の会話において「ありがとう」と言われて「どういたしまして」と返す人は少ないのではないでしょうか。
◆一般的に「また次」という意味で使う時
メジャーリーグの解説者は打者がホームランを打った時、See you と言うことがあります。この場合の see を「会う」と訳してしまうと意味が通らなくなります。
これは打者がホームランを打ったので「次もまた一発頼むぜ」というような期待の意を込めたような感じになります。
hello
◆挨拶で使う時
「こんにちは」、「やあ」など軽い挨拶です。知らない人はいません。
◆電話に出る時
電話に出た時 Hello と言うと、これは「もしもし」という意味になります。
◆様子を伺う時、相手の反応がない時
映画を見ていると、思わぬシーンでこの Hello が使われていることがあります。挨拶の意味として捉えると明らかに意味が分かりません。
例えば、こんな時に使います。相手がボーっとしていて、話しかけても反応がない時。ここで Hello? と言います。
come on
◆相手を呼ぶ時
come on の最も有名な意味は「こっちへおいで」です。「カモーン」なんてよく言います。恐らくこの使い方しか知らない人が殆どでしょう。
しかし come on にはもっと様々なシチュエーションで使われる多様な意味があるのです。
◆何かに期待する時
あなたはロケットの打ち上げを待っています。発射時刻が近づきカウントダウンが始まります。ここで Come on! と言うことができます。
しかし、これを「こっちへ来い」と普通の come on に訳してしまうと意味が通らなくなります。
要するにあなたはロケットの打ち上げ成功に期待しているわけです。この場合の come on は期待していることを表します。
もう1つ例を挙げてみます。あなたは溺れている人を救い、人工呼吸をしています。そして必死に心臓マッサージを行っています。
この時 Come on と言うことができます。これもやはり「息を吹き返してくれ」という期待の意味が込められているのです。
これら以外にも come on は様々な場面で用いることができますが、それは実際のネイティブの会話から吸収したり、ドラマや映画を見て
「あー come on ってこういう時にも使えるんだ」と学んでいって下さい。
I love you
◆「愛している」と伝える時
あえて説明の必要もないほど誰でも知っているフレーズです。しかし I love you をどのような場面で誰に対して発言するのかによって意味は大きく変わります。
「I love you = 愛している」という固定概念を持ったまま使うと相手に対して誤解を与えたり、意味が通じなかったりすることがあります。
例えば、結婚の意志のない相手に I love you と言うと、相手は結婚を望んでいると解釈することがあります。
ただ交際している相手には容易に使わない方が無難と言えます。しかし、ネイティブアメリカンではないアジア圏の人に好意を持った相手に
I love you と言っても変に解釈されることはないかもしれません。I love you は非常にセアリアスな言葉なので慎重に使うようにしましょう。
◆感謝の意を表す時
AMA(American Music Award)の授賞式では受賞者が I love you と発言することがあります。これは受賞者が観客やTVの視聴者に向かって話しているのですが
当然ながら受賞者が観客や視聴者を愛しているわけではありません。こういった場合の I love you は「感謝しています」のような感じになるでしょう。
excuse me
◆軽く依頼する時
人に通路を空けて欲しい時や道を尋ねる時に Excuse me? と言います。これは excuse me の最も一般的な使われ方で「すみません」の意味です。
当然、自分だけでなく複数人で行動している場合、道を空けて欲しいなら Excuse us? となります。
◆軽く謝罪する時
謝罪は I'm sorry だけではありません。人とすれ違いざまにぶつかった時に謝る場合は Excuse me を使うことが多いです。
これも意味としては「すみません」で、軽い謝罪の意味になります。
◆もう一度聞く時
相手が何か喋ったのですが、よく聞き取れなかったような時、日本語でも「え?なんて?」と聞き返します。この時も Excuse me? を使えます。
◆許しを請う時
excuse という単語はそもそも「許す」という意味です。元来の意味で excuse me が使われることも勿論あります。
例えば次のような会話の場合の意味を考えてみましょう。
It's your fault my debts are piling up.
借金が膨らんでいるのはあなたのせいよ。
Excuse me.
許してくれないか。
sorry
◆謝罪する時
I'm sorry. これが最も一般的で良く知られている使い方です。普通に相手に謝罪する場合に用いられます。
I'm を省略して sorry だけを言うこともあります。「おっと、失礼」のような軽い謝罪のようなニュアンスです。
◆聞き返す時
相手から何か言われたが良く聞き取れなかった時、sorry? と聞き返す時にも使えます。
◆残念に思う時
誰かに道を尋ねられた時、知らなければ答えられません。そんな時、I don't know. の前に sorry を付けて言うことができます。
Which way leads to the station?
駅までの道はどちらですか。
Sorry, I don't know.
悪いけど(残念だけど)知らないね。
この場合の sorry は謝罪というより、教えてあげられず「残念」という意味です。
◆相手を気の毒に思う時
I'm sorry for you. と言えば、これは「貴方に謝ります」という意味にはなりません。この場合の sorry は「気の毒」という意味になります。
My daughter is gone.
娘が死んでしまったの。
I'm sorry for you.
お気の毒に。
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