動詞の択び方
見る
「見る」という動詞ですぐに思い浮かぶのは see, look, watch です。それぞれ何をどのように見るかによって使い分けが必要です。 まずは先に挙げた3つの「見る」という動詞の使い分けから見ていきましょう。

Watching TV for a long time damaged my eyes.
長時間テレビを見ていて眼を悪くした。

I can see them running over there.
向こうを走っている彼らが見える。

The kid was looking at the dog.
子供は犬をじっと見ていた。

様子を表現するにはどの動詞を使うかによって随分とニュアンスや伝わり方が違ってきます。上記の動詞以外にも「見る」という様子を表す動詞がいくつかあります。

I carefully observed the behavior of koala.
私はコアラの動きを注意深く観察した。

observe という動詞は、真剣に見る、様子を見るなど観察するようなニュアンスがあります。

Strangers is snooping into the contents in the box.
怪しい連中が箱の中身をのぞき込んでいる。

snoop にはこそこそかぎぎ回る、覗き見る、こそっと見る、詮索するなど悪いイメージの意味があります。 例文の snoop を look に置き換えても「〜箱の中を覗き込んでいる」と意味は理解できますが、どのように見ているのかその様子は伝わってきません。 snoop という単語を使うことで、こそこそしているという悪いイメーイがより伝わります。

Someone glanced at me changing my clothes.
誰かが私が着替えているところをチラッと見た。

glance at でチラッと見る、見てすぐ目をそらすといったような、一瞬だけ見ることを表現できます。

A lot of customers visited the jeweler's shop had gazed at the crystal glass.
その宝石店を訪れた多くの客がクリスタルのグラスにじっと見入っていた。

gaze は見つめる、じっと見るなど人の目が対象物に引き付けられているような表現ができます。

「ちょっと赤ん坊を見ててくれますか」この場合の「見る」は「見張る」という意味になります。 「見張る」は「それに目をやる」と考え keep an eye という熟語を使います。

Cound you keep an eye on my bagage while I take a rest?
トイレに行ってる間私の荷物を見ててくれませんか。

笑う
笑い方には色々あります。声に出して笑う時やほくそ笑む時、苦笑い、スマイルなど、それぞれ表現できる動詞があります。

His joke always makes us laugh.
彼のジョークはいつも私たちを笑わせてくれる。

Everyone laguhed loudly when the poor atcor made a real blunder on the stage.
演技下手な俳優が舞台で大失敗をやらかした時みんな大声で笑った。

laugh は声に出して笑う時に使います。

A beautiful woman welcomed me with a smile.
綺麗な女性が笑顔で私を迎えてくれた。

The bridegroom was smiling broadly when he stayed with his bride.
新郎は花嫁と一緒にいる時ニコニコ笑っていた。

smile は文字通りスマイルです。微笑む、にっこり笑うなど優しい笑顔を表現する時に使えます。時には皮肉や軽蔑的な冷笑する場合でも用いることもあります。

He was grinning at himself in the mirror.
彼は鏡の中の自分を見てニヤニヤ笑っていた。
grin は歯を見せてニヤニヤ笑うような感じです。声に出さず笑います。軽蔑の眼差しや悪意を持ってニヤリと笑うような場合を表現できます。

She giggled at the funny comic.
彼女は面白いマンガにクックッと笑った。

giggle は何かを企んでいる時やいやらしい含み笑いを表します。冗談でふざけ合って笑ったり、ケラケラ笑ったりするような場合に使います。

言う
「言う」は say を思い浮かべる人が圧倒的に多いでしょう。しかし、何を言うのか、どのような言い方をするのかによってやはり使う動詞は違ってきます。 say は一般的な「言う」です。「〜と言った」、「あなたの言ったことは〜」などは普通に say を使えます。しかし、say ばかりを使っていてはどのように言っているのか表現に乏しくなります。それでは、様々な「言う」という動詞を表す単語を見ていきましょう。

Our teacher said to all the students not to scribble on a wall.
私たちの先生は生徒全員に壁に落書きをしないように言った。

What did you say just before?
今さっきあなたは何と言いましたか。

say は具体的に何かを「言う」時に用います。say 以外の「言う」には次のような動詞があります。

I'm telling you it's true that tunami attacks the coast.
津波が海岸を襲うってのは本当だと言ってるだろうが。

He told the truth about what he saw last night.
彼は昨夜見たものについて真実を語った。

The old document tells the legend of Tutankhamen.
その古文書にはツタンカーメンの伝説のことが書かれてある。

tell は情報や真実(嘘)を伝えたり、告げる、教える、知らせる、物語を話す、語る、説明するなど幅広い意味を持ちます。

What's called it in Chinese?
それって中国語で何て言うの。

They called the fat girl "a black pig".
彼らはその太った少女のことを黒豚と言った。

この場合の「言う」は「呼ぶ」です。従って call という動詞を使って「言う」と表現しています。

Undaunted by the abuse of her husband, she countered just as sharply.
夫の悪口に彼女も負けじと言い返した。

counter はサッカーでよく言うカウンター、即ち逆襲です。counter は反論する、言い返すなど強い反発を表す言葉で、喧嘩や言い争いを表現する際に使われます。 counter と似たような動詞で retort という単語がありますが、これも「言い返す」という意味でよく使われます。

If you mention the fault of my friend, I never forgive you.
友達の失敗のことを言ってみろ。絶対に許さないからな。

The doctor mentioned to me that smoking is not good for one's health.
先生(医者)は喫煙は健康に良くないことを私に言った。

mention は〜について言及する、話として持ち出す、例を挙げて言う、軽く触れる(言う)のような意味があります。 先の say と何が違うのか少し分かりにくいかもしれませんが、say は 「〜と言う」具体的なセリフを、mention は「〜のことを言う」一般論や考えを述べるといった感じです。 もう少し分かりやすく説明すると次のような感じになります。

In the meeting, I said that you succeed in the job.
会議の中で私は君が仕事に成功した、と言った。

In the meeting, I mentioned that you succeed in the job.
会議の中で私は君が仕事に成功したことについて言った(述べた)。

思う
「彼らはきっとパーティーに来てくれると思う。」こんな日本語があればついつい I think they come to the party. という英文を作ってしまいそうです。 「思う」は think という考えが染み付いている人には当然かもしれません。これでも間違いではないのですが、同じ「思う」でも何をどのように思うのか、 あるいは思いの強さを様々に伝えたい場合、決して think だけでは表現しきれません。

think は一般的な「考える」、「思う」という意味で幅広く利用可能です。「〜と思う」、「〜を考える」を think を使って表現しても間違いではありません。 しかし think で表現した英文では、思いの強弱は判断できません。

I believe that they come to the party.
彼らはきっとパーティーに来てくれると思う。

believe は「信じる」という動詞です。think よりは強い「思う」という意味が込められています。

I think it's him who broke the vase.
私はその花瓶を割ったのは彼だと思う。

これでも間違いではありませんが、この場合、彼が犯人だと「疑っている」分けです。 このような場合は suspect 「疑う」という動詞を使った方が、より怪しんでいることを表現できます。

I suspect that he broke the vase.
私は彼が花瓶を割ったのではないかと思う(疑っている)。

I guess that woman is over 40.
あの女性は40歳を過ぎていると思う。

I guess the answer is A.
答えはAだと思う。

この場合の「思う」は推測しているのです。think よりも guess を用いるのが一般的です。ここでもう一度「あの女性は40歳を過ぎていると思う」という文章を考えます。 その女性が「私は36歳です。」と言ったことに対して「40歳を過ぎていると思う」のであれば、それは推測でもありますが疑っている分けです。 そのような場合は、「疑う」という意味の動詞 doubt を使うと、疑っていること、信じていないことをより一層強く表現できます。 逆に、女性が「私の年齢を当ててみて下さい」と言ったことに対して「40歳を過ぎていると思う」ならば guess を使います。 guess はクイズの答えを当てる時の「思う」や想像するときの「思う」で用います。

I doubt whether that woman isn't over 40.
あの女性が40歳を過ぎていないなんて怪しいと思う。

※suspect と doubt は共に「疑う」ですが、suspect は証拠や根拠があって疑う場合、doubt は特に証拠も根拠もない場合に用いる動詞です。

People are afraid that a terror occurs again.
人々は再びテロが起きるのではと思っている。

この場合の「思う」は恐れているのです。think を使って表現した場合は、人々が怖がっているニュアンスに欠ける表現となるでしょう。 be afraid 〜 を使った方が効果的です。

分からない
「分かりません」や「知りません」を英語で言いなさいと言われると、大抵の人は I don't know. と答えるでしょう。 しかしネイティブが話す「分かりません」は何が分からないのかによって表現の仕方が違います。 I don't know. は知識や情報として知らない場合や分からない時に用います。

I don't know where he is.
彼がどこにいるか知りません。

I don't know what will become of the earth 100 years later.
100年後地球がどうなっているかなんて分からない。

物事を覚えていなくて分からない時や迷っている時、予定が定かではない場合に用いるのが I'm not sure. です。 sure は「確か」という意味を持ち自身があったり確実に自身があったりした時によく使われます。 not sure でその否定語の形となり「分からない」という意味になります。

What's your plan tomorrow? I'm not sure yet.
明日の予定は? まだ分かんないよ。

I'm not sure where I plcaed my wallet.
財布をどこへ置いたか分からない(はっきりしない/覚えていない)。

一方、問題が解けなかったり物事を理解できない場合に言う「分からない」は I have no idea. です。

Aren't you able to solve this problem? Yes, I have no idea.
君はこの問題を解くことができないのですか? はい、わかりません。

All of us had no idea what our teacher explained.
私たちは全員先生が何を説明したのか分からなかった。

終わる
「終わる」で思いつくのは end や finish です。しかし何が終わるのかによって用いる動詞は色々あります。 Summer is over.
夏が終わった。(「終わった」は過去形ですが be動詞は was ではなく is を使う)

The time limit for applying will be over in this weekend.
申し込み期限は今週末で終わるでしょう。

be over は一定の期間や時間が過ぎ去ったことを強調する表現です。

The mountain path is terminated at this point.
山道はこの地点で終わっている。

The word 'climb' is terminated in 'b'.
climb という単語は b で終わっている。

terminate という動詞は「終わらせる」という他動詞です。映画「ターミネーター」は「終わらせる者」という意味ですね。 terminate は終端を表し、続いていたものがそこで途切れたり終わる場合に使います。

The road work in front of my house was complete.
家の前の道路工事が終わった。

Have you finished reading the report of the environmental pollution?
環境汚染に関する報告書を読み終えましたか。

complete や finish は動作や物事が完了した時に使う「終わる」です。

World War II ended in 1945.
第二次世界大戦は1945年に終わった。

When does this drama end?
このドラマはいつ終わるのですか。

end は最も一般的な「終わる」を意味しますが、「やめる」というニュアンスを持っています。会議やスピーチ、ゲームなどが終わる時にも使います。


Copyright 2009. All rights reserved.