完了形
現在完了
現在完了とは簡単に説明すると、動作が完了したことを示す表現です。現在完了は have + 過去分詞 の形で表されます。しかし完了形とは一体どういう意味なのでしょうか。 例えば I finished homework. という文があったとします。これは普通の過去形で「私は宿題を終えた」という意味です。 この文を完了形で書くと次のようになります。

I have finished homework (just before).
私は(たった今)宿題を終えたところです。

just before 「ちょうど先ほど」という意味の語句を付けて完了形の文に変えてみました。普通の過去形の文意と比較してみて下さい。 過去形では宿題が終わったことは明白ですが、それがいつ終わったのかまでは分かりません。完了形は現時点においてその動作が今完了したことを表現できるのです。 過去と完了の時制をイメージしたものが以下の図になります。



完了形では「継続」、「経験」、「完了」、「結果」の4種類の意味を表現できます。

継続
Countries in the Middle East have carried on war for more than 20 years.
中東諸国は20年以上も争いを続けている。

My family has observed the nest in the attic for a couple of weeks.
我が家は2〜3週間屋根裏にある鳥の巣を観察し続けている。

be + 動詞ing で表される進行形も現在動作を継続していることを表しますが、進行形はまさにその瞬間動作を行っている場合に使います。

You and I are playing tennis now.
あなたと私は今テニスをしています。

We have not settled the problem yet.
我々はその問題をまだ解決していない。

完了形の「継続」は過去のある時点からずっと続いてきたことを示す表現です。

経験
「経験」は「〜したことがある」という意味を表現します。

Nobody has set foot on the upper reaches of the thick forest.
誰も密林の奥地へ足を踏み入れたことがない。

Have you ever been to Australia?
オーストラリアに行ったことがありますか。

「行ったことがある」という表現に go の過去分詞 gone ではなく be の過去分詞 been を使っていることに注意して下さい。 「行く」の経験は been で表します。I have gone to 〜 は間違いではありませんが、意味としては「〜へ行ってしまった」という完了を示す意味となってしまいます。

完了・結果
「完了」は文字通り動作が完了したことを示します。

I have already packed a cardboard box with books and equipments.
ダンボール箱に本や備品をもう詰め終わっています。

My mother has baked a bread in the oven.
母がオーブンでパンを焼き上げた。

完了形の種類の中でも「完了」と「結果」は非常に区別が困難です。 あえて説明するなら、「完了」は動作が完了していることを表すのに対して「結果」は動作が完了するとともに「その結果〜どうなる」という意味を込めています。

I have finished my working at 18:00.
18:00に仕事を終えた。

上記の文は、仕事を終えたその結果「早く帰れる」、「飲みに行ける」など記載はされていませんが、そういった意味を含みます。 「完了」と「結果」の違いを強く意識する必要はなく、表現やニュアンスを掴めていれば問題ありません。

過去完了
「現在完了」に対して「過去完了」もあります。「過去完了」をタイムアスペクトで表すと次の図のようになります。



過去のある時点においてそれ以前に起きていたことを表現します。実際の例文で確認してみましょう。

When I got to the bus stop, the bus had already left.
私がバス停に着いた時、既にバスは出発してしまっていた。

前半の句は普通の過去形です。その過去の時点でそれよりも以前の出来事を後半の句が表しています。過去完了は had + 過去分詞 です。

Though I went to the shop, it had already closed.
店に行ったけれどもう閉店だった。

未来完了
過去完了があれば未来完了もあります。未来の出来事は、まだ起きていないことに対する推量や推察の表現となります。 その起きていないことの完了とは一体どのような意味になるのでしょうか。未来完了は「〜してしまうことになるでしょう」という意味です。

If we leave him, he will have spent his all fortune.
彼を放っておけば彼は全財産を使い果たしてしまうだろう。

If we keep carbon dioxide emissions, we will have not been able to live on the earth in the future.
このまま二酸化炭素を排出し続けると我々は将来地球で暮らせなくなってしまうでしょう。

未来完了は will + have + 過去分詞 です。 will have not been able to についてですが、可能を表す助動詞 can を使いたいところですが助動詞を連続して並べることはできません。 従って can の代わりに be able to を使いますが、この be が have の後ろなので過去分詞 been に変わっています。


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