英語にはない言葉
友人や同僚から「今から飲みに行かないか」と誘われた時、「今日はちょっと用があるんで・・・」と断ることがあります。 この日本語の日常会話でよく使われる「用事があるんです」というのは一体英語で何と言うのでしょうか。 実は「用事」にピッタリ当てはまる言葉は英語にはありません。辞書を引くと business や something to do など「仕事」や「すべき事」のような言葉が出てきます。 ここでは曖昧な日本語で英語にはない言葉を英語でどのように表現するのかを紹介していきます。

あたりまえ
日本語における「あたりまえ」という言葉は幅広い意味で使われます。「あたりまえ」と一口に言っても何がどう「あたりまえ」なのかはっきりしません。 このような具体性にかけるセリフは英語では一つの単語で表すことはできません。伝えたい内容から判断して表現することが必要です。

Do we need a passport to visit foreign countries? Of course!
外国に行くにはパスポートが必要ですか。 あたりまえだよ。

この場合の「あたりまえ」は「当然だ」や「もちろん」という意味です。従って of course が適切な表現です。

I didn't know that a whale is not a fish but a mammal. Everybody knows that!
僕は鯨が魚ではなく哺乳類だということを知らなかった。 そんなのあたりまえだよ。

この場合でも、先の of course が使えない分けではありません。しかし、ここでの「あたりまえ」は「常識」とか「誰もが知っているあたりまえのこと」という意味です。 従って、everybody knows という表現が相応しいと言えます。

次の例文の「あたりまえ」は「自然である」という意味に置き換えることができます。従って natural という単語を使っています。

It's natural that it often rains in Japan.
日本では6月頃に雨がよく降るのはあたりまえだ。

その他にも様々なシチュエーションで「あたりまえ」を使いますが、実に色々な表現を方法があります。その中でも代表的なものを紹介しておきます。

That's(It's) not suprising. → 驚くことではない(あたりまえだ)
No wonder 〜 → 〜は伏不思議ではない(あたりまえだ)
without saying 〜 → 〜は言うまでもない(あたりまえだ)
reasonable → もっともである(当然のことだ)

面倒くさい
もったいない
「もったいない」に適した単語は英語にはありませんが、意味が近い単語として waste や wasteful という単語があります。これは「無駄である」という意味の単語です。

Why you leave most of dishes? What a waste!
どうして殆ど料理を残すのですか。もったいない。

It will be a waste of time to wait Jack.
ジャックを待っていても時間の無駄になるだろうな。

日本語の「もったいない」には様々な意味があります。 「無駄」という意味ではなく、「私には贅沢すぎる」という意味で「もったいない」という言葉を使うことがあります。

That girl is too beautiful for the guy.
あの子は綺麗すぎて奴にはもったいない。

It is a meaningless to put such an expensive vase away in a box.
そんな高価な花瓶を箱の中にしまっておくなんてもったいない(無意味だ)。

日本語で「もったいない」と表現できても英語で必ず waste を使える分けではありません。日本語の意味から考えて適切な英単語を使う必要があります。

いただきます/ごちそうさま
日本では食前、食後に言うこの習慣は英語ではありません。食べ始める前に何か言うことはありませんし、食べ終わっても何も言わないのが一般的です。 ただ、食事中に少し残っているのにナイフやフォークを置いて食事を止めると finish? と聞かれることがあります。これはもう食べ終わったのかそうでないのかを確認する言葉です。

情けない
成績が振るわなかった時や勝つべき者が負けた時などよく言われる「情けないなぁ」というセリフ。これも相当する英単語はありません。 意味から考えて、相応しい単語を用いるしかありません。

なんて情けない結果なんだ。
What a wretched result!

ここでは「情けない」を「哀れな」や「悲惨な」という意味で捉え wretch という単語を使ってみました。

パン1つ買えないとは情けないことだ。
It's a pity that I can't buy a bread.

この場合は「情けない」を「悲しい」や「残念」という意味で考え pity を用いています。

「情けない」という英語に相当する単語がない言葉を表現する場合、代替の単語としてどの単語を使うかは自由ですが、用いる単語によって微妙にニュアンスも変わってきます。 「情けない」を表す為の単語をいくつか紹介しておきます。

miserable(みじめな)
shameful(恥ずべき、恥ずかしい)
deplorable(嘆かわしい)

仕方がない
「仕方がない」というのも日常会話でよく使います。これも英語で表現する場合は、意味から考え適切な単語を選ばなくてはなりません。

We have no choice but to leave our belongings in this fire.
この火事じゃあ貴重品は諦めるしかない。

選択肢がないという意味での「仕方ない」です。have no choice but to 〜は「〜するしかない」という覚えておくと便利な表現です。

It' no use saving such an enormous money without using.
こんな大金を使わずに貯金していても仕方がない。

この場合の「仕方がない」は「無駄である」ということなので it's no use 〜ing を使っています。これは「〜しても無駄である」、「〜役に立たない」という意味です。

It's natural that the president is criticized.
首相は非難されても仕方がない。

ここでの「仕方がない」は「当然である」というように考えられます。そこで it is natural that 〜という「〜して当然だ」という表現を使っています。

これらの表現方法以外にも、もっと単純な構文で「仕方がない」を表せるケースもあります。

I have to accept my destiny.
運命だから仕方ないよ。

have to〜だから「〜しなければならない」という訳になりますが、この場合の「仕方がない」を have to を用いて表現できると考えましょう。 このように「仕方がない」の状況を考慮しその場に応じてベストな表現方法を用いることが望ましいです。

よろしく
これも英語では該当する単語はありません。しかし日本語の会話や挨拶では頻繁に使われます。 「よろしくお伝え下さい」という意味で「よろしく」と言う時があります。これは regards という単語を使うのが一般的です。

Best regards.
よろしく。

Best を付けることでより丁寧な表現となります。メールの本文の最後に挨拶として Best regards と書き添えることがあります。 日本語のメールでも最後に「よろしくお願いします」と締めくくりますが、これと似たような感じです。

日本語では何かを依頼する時にも「よろしく」を使います。 英語ではこれに相当するようなことは言いませんが、単純に文頭に please を付けることで「よろしく頼む」と依頼するような表現が可能です。

Please pick me up to the station at just 8 o'clock.
8時ちょうどに駅前に迎えに来て下さい(よろしくお願いします)。

日本の習慣で新しく人を紹介された時の挨拶として「よろしくお願いします」とお互い言葉を交わします。 この「よろしくお願いします」は特に相手に何かを依頼するわけではなく決まり文句として言います。 英語では初対面の人と挨拶において習慣的に使われるセリフとして次のようなものがあります。

I'm glad(pleased) to see(meet) you.
お会いできて嬉しいです。

これは全く「よろしく」という意味ではありませんが、英会話における挨拶の定番とも言える表現です。 日本語では「よろしく」というのに対して英語ではこのように言うのだと覚えて下さい。

失礼します

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